遺言

 遺言がありません。どうしたらよいでしょうか。

 法定相続分よりも優先される遺言がない場合は、相続人等による遺産分割協議を行い、合意の上、遺産分割協議書を作成します。これにより、不動産の登記や預貯金の名義変更・解約手続き等を行うことができるようになります。被相続人が遺された遺産は、遺産分割までの間、相続人全員の共有財産とされ、配偶者や子どもであっても、原則的に、勝手に遺産を分割したり、処分することができなくなります。そして、いつまでも遺産分割をしないでいると、将来、遺産分割が複雑化し、遺産分割自体が困難になる恐れが生じてきます。

 遺言でしかできないことは何ですか。

 法定相続分と異なる相続分の指定、特別受益者のもち戻しの免除のほか遺言内容を実現する遺言執行者の指定などです。遺言書を作成する際は、遺留分の侵害に配慮します。特に、遺言による子どもの認知、相続人の廃除・取消は、必ず遺言執行者の指定が必要となります。

 遺言を発見したときはどうすればよいですか。

 遺言書が公正証書や自筆証書法務局保管制度による自筆証書遺言(以下「自筆法務局保管遺言」という。)以外の場合は、遺言書を家庭裁判所に提出し、検認の申立てをしなければなりません。
遺言書を提出することを怠り、検認を経ないで遺言を執行したり、勝手に開封すると、 5万円以下の過料に処せられることがあります。

 一度作成した遺言は、取消すことができますか。

 遺言書は、いつでも、遺言の方式によって、その遺言の全部又は一部を取り消すことができます。

 相続人が自分に不利な遺言書を破り捨てた場合はどうなりますか。

 相続欠格に該当し、相続人となることができなくなります。

 亡くなった父が遺言書を作成していたかを調べる方法はありますか。

 家の仏壇、金庫及びタンスの中を捜索してください。貸金庫もあれば中身を確認します。
公正証書遺言は最寄りの公証役場で、自筆法務局保管遺言は法務局遺言書保管所でその有無等を調べることができます。

 遺言執行者はどうして定めておく必要があるのですか。

 遺言執行者は、遺言の内容を実現します。遺言執行者を定めておきますと、相続人全員の同意を得ることなく不動産の所有権移転登記や預貯金の払戻等を行うことができるようになります。

 夫婦には子どもがいません。残された配偶者に全ての財産を残したいとき、遺言書は作成しておくべきですか。

 遺言書を作成しておきませんと、残された配偶者だけが相続人とならないことがあります。これは、亡くなられた配偶者の兄弟姉妹等も相続人となるためです。このような親族状況の場合には、遺言書の作成をお勧めします。

 相続人はいません。これまでお世話になた方や福祉団体等に遺産を遺したいと思っています。遺言は必要でしょうか。

 特別縁故者(内縁の妻など)もいない場合は、遺産は国庫に帰属してしまいます。これまでにお世話になった方や団体等に財産を遺したい場合は、遺言書を作成しておく必要があります。なお、内縁の妻は、法律上の相続権はありませので、遺産を残したい場合には、遺言書で遺贈する旨を記載しておきます。

 不動産を所有しています。兄弟姉妹はいますが、相続はさせたくありません。その不動産は私の死後は売却し、売却代金はお世話になった福祉団体等に寄付したいと考えています。どうしたらいいでしょうか。

  「清算型遺言」という遺言書を作成します。そして「清算型遺言」には、遺言執行者を定ておきます。なお、「清算型遺言」による遺贈は、兄弟姉妹に譲渡所得税が課税されてしまうことがありますので、その対応策を十分に検討しておてください。

相続

 

 ホームページにある「法定相続情報一覧図」とは何ですか。

 不動産の相続登記申請をはじめ、被相続人の預貯金の払戻及び遺族年金等の請求など様々な相続手続に利用することができます。この法定相続情報一覧図(写)を利用することで、法定相続人が特定され、相続手続に係る相続人等の負担が軽減されます。申出にあたっては、登記所に被相続人の生まれてから亡くなるまでの戸籍関係書類等が必要となります。なお、「法定相続情報一覧図」の申出は、被相続人の相続人のほか行政書士、社会保険労務士等が代理ですることができます。

 被相続人の戸籍はどうして、生まれてから亡くなるまでのものが必要なのですか。

 相続人を一人でも見落としてしまうと遺産分割自体が無効となってしまうからです。また、不動産の相続登記や法定相続情報一覧図の申出には、被相続人の生まれてから亡くなるまでの戸籍関係の書類等の提出が必要です。なお、被相続人の戸籍をさかのぼって相続人を確定するには、戸籍の知識と法律の知識が必要で、難易度が高く時間もかかります。

 相続人の中に行方不明の人がいます。どうしたら良いですか。

 家庭裁判所に「不在者財産管理人」の選任申立てを行い、選任された不在者財産管理人と他の相続人とで遺産分割協議を行います。

 相続人が被相続人より先に死亡している場合はどうなりますか。

 相続人が被相続人より先に死亡した場合は、その相続人の子・孫・甥・姪等がその相続人に代わって相続します(代襲相続)。
代襲相続は、相続人が子の場合は、孫・ひ孫等と再代襲できますが、相続人が兄弟姉妹の場合は、甥・姪までとなります。

 相続人が生前贈与を受けていた場合はどうなりますか。

 相続人間の公平を図るため、相続財産に加えられることがあります。

 遺産分割協議のため、相続人等が全員集まる必要はありますか。

 基本的に、相続人等が全員集まります。
しかし、遠隔地にいるなどで集まることが困難な場合は、電話や手紙などによって協議を進め、遺産分割協議書等を作成した後に、持ちまわるなどの方法があります。

 遺産分割協議書はなぜ必要なのですか。

 遺産分割協議書は、遺産分割協議が有効に成立したことの証明です。
その後に行う金融資産の名義変更・解約、不動産登記及び相続税の申告等に必要です。

 相続による不動産名義変更登記や税務相談・相続税申告についても相談できますか。

 連携する司法書士や税理士とともにお客様からのご相談をお伺いします。

土地の登記名義人である父が10年前に亡くなり、母も先月に亡くなりました。相続人は、弟、妹そして私の3人です。これから、相続手続をしたいのですが、どうしたらよいのでしょうか。

 お問い合わせの相続は、特殊な「数次相続」といわれるものです。まずは、被相続人の遺言書の有無をご確認ください。遺言書がない場合は、原則として、法定相続人らによる遺産分割協議を行い、合意した内容を遺産分割協議書に記載します。この遺産分割協議書に被相続人の出生から亡くなるまでの戸籍などの関係書類や法定相続情報一覧図等を添付して、預貯金の名義変更・解約、土地の所有権の移転登記等の相続手続を行います。なお、令和3年度の税制改正により、令和4年3月31日までの間に、1次相続として、亡父から亡母に未登記の土地の所有権の移転登記をする際の登録免許税は課さないこととされました。ただし、2次相続として亡母から申請者への相続による土地の所有権移転登記については、この免税措置の対象となりません。

 

成年後見

 成年後見の基本理念は何ですか。

 成年後見の基本理念は、 「自己決定の尊重」 「残存能力の活用」 「ノーマライゼーション」の3つです。特に「自己決定の尊重」が重要視され、成年後見人等は、その業務を行うにあたり、本人の意思を尊重しなければならない。
また、本人の利益の保護と同時に自己決定権の尊重を優先しなければならないとされております。

 成年後見ができることは何ですか。

 成年後見は、不動産・金銭管理・金融機関との取引などの財産管理と医療、介護及び福祉サービス等の契約や費用の支払いのほか、本人の療養看護状況の把握、医師・看護師・ヘルパー等との連絡調整を行うことができます。

 成年後見でできないことは何ですか。

医療同意と身上監護に含まれない身元引受人・身元保証人、介護・買物・掃除・洗濯などの事実行為です。

 任意後見人を自分の子どもにすることはできますか。

 成人であれば あなたの信頼する人を任意後見人にすることができます。お子様でもお友達でも任意後見人にすることができます。

任意後見人にはどのような人にお願いしたらよいでしょうか。

 任意後見人とは、生涯のお付き合いになります。お子様でも親戚の方でも友人や知人でもかまいません。行政書士等の専門家にお願いすることもできますが、大切なことは、あなたよりも若く、相性も良くて最も信頼できるという方にお願いすることです。

 任意後見制度は高齢者のためだけの制度なのですか

 任意後見制度は、認知症など「もしもの時」に備える高齢者のための制度という印象を持たれていますが、必ずしもそうではなく、30代の健康な方でも将来の病気や事故などに備えて任意後見契約を結んでおくことができます。多くの方々が将来の備えとして利用できる制度です。

[利用例]

①高齢者・独居老人・一人世帯・離婚経験独身者・配偶者に先立たれた妻又は夫・・将来、判断能力が低下した時のために        

② 知的障害者・精神障害者・身体障害者などの方・・サポートしてくれている人がいなくなった時のために

③ 子供がいる夫婦・・子供に頼らずに生きていくために

④ 若者・・事故や病気に備えるために

 ※ ただし、すでに判断能力がない方は、任意後見契約を結ぶことはできません。                             法定後見制度を利用することになります。法定後見のご利用については、行政書士等の専門家にご相談ください。

遺族年金等

 任意後見人を知り合いに頼みたいと思っています。任意後見契約書の作成をお願いできますか。

 任意後見人に依頼したいことなどをお伺いし、知り合いの方に任意後見人の役割を十分にご理解していただけましたら、任意後見契約を公正証書で作成させていただきます。また、任意後見契約書のほか、必要に応じて見守り契約書、財産管理委任契約書、遺言書及び死後事務委任契約書を作成するためのお手伝いをさせていただきます。

 老齢厚生年金受給中の夫がなくなりました。妻である私は、遺族厚生年金はもらえますか。

 受給資格期間が25年以上ある夫に生活を支えられていた妻は、遺族厚生年金がもらえます。また、遺族厚生年金の手続きをとるときに、併せて、未支給年金の請求手続きも行う必要があります。

 老齢厚生年金を受給していない夫が亡くなりました。妻の私は、遺族厚生年金をもらえますか。

 厚生年金加入中の方や厚生年金の被保険者であった夫(納付要件あり)が死亡した場合、その夫に生計を支えられていた妻は遺族厚生年金を受給することができます。また、遺族基礎年金を受給できる場合は、遺族厚生年金と遺族基礎年金の両方がもらえます。

 遺族基礎年金はどういう人がもらえるのですか。

 遺族基礎年金は、18歳に遺した以降の最初の3月31日までの子や20歳未満で一定の障害者である子がいるなどの条件を満たす方が受給することができます。

 障害厚生年金をもらっている夫がなくなりました。妻の私は遺族厚生年金を受給できますか。

 遺族厚生年金の1級又は2級の年金を受給している夫が亡くなった時は、お亡くなりになった夫に生活を支えられていた妻は、遺族厚生金をもらうことができます。

日本年金機構から扶養親族等申告書が送られてきましたが記入の仕方がわかりません。

 扶養親族等申告書は、年金額に影響のある大切な書類です。同封の手引書を参照して、必ず、毎年提出する必要があります。記入の仕方が分からないときは、最寄りの年金事務所にお問い合わせください。それでも、ご不明の点等がありましたら、弊所までお電話ください。ご自宅にお伺いして、記入方法を説明させていただきます。

尊厳死宣言

 尊厳死宣言はなぜ必要なのですか。

 あなたが回復の見込みのない末期状態となり延命治療を望まないときに、家族をとおして、あなたのお気持ちを医療機関従事者等に伝えることで、現代の延命治療技術がもたらした治療行為を差し控え又は中止し、人間としての尊厳を保ちつつ、死を迎えるようにするためです。